
お友達とのはなし
あーあ。言ったね?
ふふ。
……えへ、へ。
ありがとう、ぼく独りでずっと寂しかったんだ。きみにそう言ってもらえて幸せだよ。
そう、独り。
地球に生命が誕生したころからだっけな。実はそのくらい昔から居たんだよね、ぼく。
に
暇で暇で仕方なくてさ、よく色んなものに化けてみたりして遊んでたんだ。
そうやって動物を脅かしてみたり、誑かしてみたり…
ある時さ、すっごく暇になって「人間の夢の中に入れないかな」って思ったんだ。
で、すぐやってみた。
結果は大成功だったよ、なんでもし放題だからね。
人間の欲と本能と無意識が渦巻く世界を歩くのが癖になっちゃうくらい。
ただ、そうやって遊んでるうちに夢から出られなくなっちゃってさ。
知らないうちに根っこが張っちゃったんだろうね。だからこうやって被害者の顔して遊んでる。
そうすれば境遇を哀れんだ人間たちが、ぼくとずーっと一緒に居てくれるかもしれないじゃん。
……いやまあ、きみを騙したのは心が苦しかったよ。
でも大丈夫、友達なんだから。もう騙すようなマネなんかしないってば。
ふふ、良かったね。ぼくと友達になればなんでも叶えてあげられるよ。
不老不死でもなんでも。お金とか欲しい?いいよ。
だから、ずーっと夢の中で遊ぼうね。
なるべく覚めないでね。
こんなに素敵な友達を置いて一人で向こうに行くなんて酷いこと、しないでね?
あ、でももういいのか。
だってそうだ、友達なんだもん。
多少のことなら目も瞑ってくれるよね?
ぼくね、声を録音しようとサヤの身体を借りた時みたいに、現実世界そのものに干渉できるんだよ。
きみがそっちに行くなら、ぼくもついて行くから。
久しぶりで体がなまってるけど、もしかしたらあの子の体を借りなくても……
ぼくだけの力できみに会いに行ける、かも。
楽しみだね、その時は何して遊ぼっか。
大好きだよ、親愛なるお友達。